高齢者施設の体制にもよりますが、中には無資格者であっても働ける場所は存在します。

無資格者が高齢者施設でできる仕事は限られています。無資格の場合、利用者の体に直接触れるような身体介助をすることはできませんが、施設の清掃や食事の準備、施設利用者の送迎など、利用者周辺のサポートに従事することは可能です。

これらの業務は、直接介護にかかわっている実感は少ないですが、施設を支える重要な役割であり、必要不可欠な仕事です。一般的には、資格を取得して介護の世界に入った方がメリットが大きいと思われがちですが、無資格で介護に従事することにもメリットはあります。

無資格者が高齢者施設で働くメリットとしていえるのは、資格を取得する手間と時間をかけずに介護を経験できる点です。何も知らない状態のまま介護の資格を取得する場合、馴染みがない情報ばかりで、習得に時間がかかります。

それだけ努力をして資格を取得した後、現場に入ってみて適性がないことが判明した暁には、非常に損をした気分になるでしょう。そうしたことを考えると、まず無資格で現場を体験して、資格取得を検討した方が賢明といえます。さらに資格を取得する際、介護現場での経験があった方が、色々な知識が頭に入りやすいでしょう。

介護業界は人材不足が深刻なため、施設によっては、無資格者をサポートする制度を導入しているところもあります。ひとまず、介護現場で適性があるかを確かめたい方は、こうした資格取得支援制度を積極的に活用されることをおすすめします。

知識も経験もない介護未経験者が介護現場に入るのは、非常に不安なことだと思います。その不安を軽くするには、できる限り教育フォローが手厚い場所を選ぶことが重要です。その際、教育マニュアルがしっかりした、大手の施設を選んだほうがいいでしょう。

未経験者が介護現場に馴染むためには、無資格者の仕事内容を知った上で、どうスキルアップすべきかを考えることが必須です。そのため、右も左もわからない状態で介護業界に入るのではなく、あらかじめ無資格者の働き方について調べておくことも大切だといえます。